社会活動報告書

廃棄物排出量の削減

製造現場の工夫で食品残さを削減

工場に入荷したすべてのお肉・食品などをムダなく活用することは、食品会社にとって重要な使命です。しかし、生産品目の切り替えに伴う設備洗浄時に排出される肉片や生産ラインから外れた肉片、異物除去の際に処理される肉片などは、食品残さとして廃棄しなければなりません。

プリマハムグループでは、こうしたムダを少しでも削減できるよう、生産スケジュールを工夫して品目の切り替えを最低限に抑えています。また、洗浄前に設備や容器内に残る肉片を取り除く取り組みが、洗浄作業の効率化や洗浄用水の削減にもつながっています。さらに、運搬や移し替えの際に肉片などの落下を防ぐため、一連のラインに組み替えるなど設備の配置を工夫しており、工程歩留の向上にもつなげています。

しかし、2017年度の目標「廃棄率2.28%」に対して「2.44%」に留まり、目標を達成できませんでした。生産数量が増えたため食品残さも増加傾向にあり、今後より一層工程ごとの管理を徹底し、削減を進めていきます。

年度別廃棄物排出量(10工場)

年度別廃棄物排出量(10工場)

年度別リサイクル率(10工場)

年度別リサイクル率(10工場)

2017年度 廃棄物排出量内訳

2017年度 廃棄物排出量内訳

グループ会社の取り組み事例

プライムデリカ(株)

食品廃棄物の排出量の低減のため、相模原・東海・関西の3拠点に「エコセンター」を設置し、脱水機を使って野菜くずを減容化しています。2013年の相模原エコセンター開設を皮切りに、2015年には関西エコセンターを、2016年には東海エコセンターを建設しました。現在3拠点体制で野菜くずの減容化に取り組んでおり、1日17tの野菜くずを2.2tにと13%まで減容化しています。こうした設備を活用して、今後も廃棄物削減に積極的に取り組みます。

野菜くずの脱水機

野菜くずの脱水機

減容後の野菜くず

減容後の野菜くず

秋田プリマ食品(株)

販売が好調なサラダチキンを生産する際に生じる鳥皮を外販することで廃棄物の削減と同時に収益の拡大につなげています。

熊本プリマ(株)

食品残さや廃油の処理には、多額の費用がかかります。これらを有価物としてリサイクルできれば、廃棄物の削減だけでなく、収益機会につなげることも可能です。そこで、熊本プリマ(株)では、分別を徹底することにより、製造工程から生じる動植物性残渣を飼料としてリサイクルしています。

原材料包装資材から出る
廃プラスチックを削減

原材料包装資材などの廃プラスチックについては、リサイクルできるものを選別して売却することで、廃棄量を削減しています。また、包装不良や包装のやり直しの低減、冷蔵保管用のビニールシートのサイズ見直しなど、プラスチックの使用量削減に向けた細かな対策も講じています。

2017年度は茨城工場に破砕・洗浄機を導入する予定だったため、廃プラスチックの廃棄量低減に関する目標を「19.0kg/トン」と高く設定しましたが、導入が遅れたため「21.0kg/トン」となり、達成できませんでした。破砕・洗浄機は2018年2月に導入して運用条件などを検討しており、現在、その効果を検証しています。

グループ会社の取り組み事例

四国フーズ(株)

生産装置と包装機を直結することにより、移送のための包材を無くし、廃プラスチックの削減につなげました。

排水処理から出る
汚泥の肥料化による削減

工程からの排水は、浄化したうえで環境に適合した排水として河川などに放流していますが、浄化処理の際に生物処理した微生物は汚泥として廃棄されます。この汚泥には窒素やリンが豊富に含まれており、堆肥などの肥料としてリサイクルしています。例えば茨城工場では、汚泥の全量を真空乾燥し、普通肥料の「プリマ菌体肥料」として肥料業者に販売しています。