環境活動の重点課題
環境保全などの「CSR重視の経営」を
中期経営計画の主要テーマに設定
プリマハムグループは、「2018~2020年度中期経営計画(ローリングプラン)」において、基本方針のひとつに「CSR推進」を掲げ、その主要テーマとして「環境保全」を社内外に明示しています。こうした認識のもと、「プリマハムグループ環境方針」に基づき、グループ一丸となった環境経営を推進しています。
また、社長が委員長、社内の全取締役が委員を務める「全社環境委員会」を年1回春に開催し、環境側面の重点課題(右表)について議論することで、全役員が環境への意識を高め、進捗の確認にも積極的にかかわる仕組みをつくっています。重点課題については、社会的な影響度や当社グループの取り組みの進捗を踏まえて適宜見直しています。2017年度は、通常年1回の委員会活動に加えて、2015規格でのISO 14001の運用について報告するための会合を開き、2015規格への移行審査についても承認されました。
また、2016年度に実施したマテリアリティ分析によって特定された環境から受ける内外からの課題も抽出。これまでリスクごとの重点管理項目を抽出して重点課題を決めてきましたが、2015規格の要求事項に合わせライフサイクル視点から重点課題を整理し、それぞれに対して取り組みを開始しています。
プリマハムグループ環境方針
プリマハムグループは、「健康で豊かな食生活を創造するために安全・安心な商品を提供し、社会と食文化に貢献していく」という基本的な考えのもとに事業展開しています。食品企業である私たちは、製品原材料の多くを自然の恵みから享受しており、その豊かな自然環境を次世代へ継承する責任があります。地球環境保全は経営の最重要課題のひとつであると認識し、持続可能な社会の実現に向け、以下の行動指針に基づき、低炭素社会、循環型社会、自然共生社会を目指した環境経営を推進します。
環境負荷の全体像(INPUT-OUTPUT)
プリマハムグループ環境方針
環境マネジメント重点課題一覧表(抜粋)
ライフサイクル | 環境側面の重点課題 | 環境影響 | おもな取り組み |
---|---|---|---|
原 料 | 養豚・養牛・養鶏場の悪臭、排水、騒音など | 地域環境問題 | 環境法令チェックシートによる管理 |
調 達 | 梱包材(プラシート)廃棄 | 廃棄物問題 | リサイクル処理 |
開 発 | 商品販売後の包装材の廃棄 | 廃棄物問題 | 商品包装の軽量・薄型化および包装素材の環境技術の導入 |
生 産 | 製造過程で排出される製品廃棄物 | 廃棄物問題 | 工程改善活動、歩留まり向上管理 |
製造工程でのエネルギー使用 | 温暖化・気候変動 | 工程改善活動、生産効率向上、省エネ設備など導入推進 | |
製造工程での水使用 | 天然資源枯渇 | 工程改善活動、生産効率向上、節水設備などの導入 | |
工場排水の排出 | 水土汚染・生物多様性への影響 | 排水処理設備の適正管理 | |
冷蔵冷凍設備からのフロン漏洩 | 温暖化・気候変動 | 自主点検、定期点検 | |
物 流 | 冷蔵冷凍設備によるエネルギー使用 | 温暖化・気候変動 | 設備の適正管理、更新 |
冷蔵冷凍設備からのフロン漏洩 | 温暖化・気候変動 | 自主点検、定期点検 | |
物流車両における燃料消費 | 温暖化・気候変動 | 共同配送、モーダルシフトの推進 | |
販 売 | 不良・返品による製品廃棄 | 廃棄物問題 | 製品減耗、不良ロス、返品商品の管理・低減 |
消 費 | お客さまによる製品廃棄 | 廃棄物問題 | 食育事業における食品ロス問題の啓発 |
管 理 | オフィス業務によるエネルギー使用 | 温暖化・気候変動 | 省エネ活動の推進 |
屋外タンクからの油類、薬品の流出 | 水土汚染・生物多様性への影響 | 日常点検、緊急時対応 | |
その他 | 環境負荷低減につながる技術研究 | — | 環境技術の調査研究 |
環境コミュニケーションの拡充 | — | 環境情報の積極的開示(社会環境報告・Webサイト) |
ステークホルダーからの要望などをもとに
環境側面のマテリアリティ分析を実施
プリマハムグループが優先的に取り組むべき環境課題を特定するため、2016年度はマテリアリティ分析を実施しました。プロセスとしては、まず国や工場の所在地、ハム・ソーセージ業界の環境目標をはじめ、当社グループに対するお客さまや株主様からの要望などを整理しました。そして、それを自社の環境側面でのリスクや現状の課題などと照らしあわせながら、下記STEP3に記したマテリアリティを分析しました。
今後は、分析したマテリアリティについて妥当性を確認するとともに、具体的な活動を通じてブラッシュアップを進めていきます。
環境側面のマテリアリティ分析プロセス

改善の指標に生産数量原単位を採用し
各事業所の取り組みを横断比較
重点課題で示している環境負荷の低減策のうち、数値化できる課題は、年度ごとに継続的な改善が進むよう具体的な数値目標を設定し、その成果を管理しています。現在、プリマハムグループは、製造工場10拠点と本社、近畿センターの計12拠点でISO 14001の認証を取得しています。また、ISO 14001の対象外であるタイなどの海外事業所についても調査を実施しました。
2017年度は、廃棄物の削減では、食品廃棄物(目標比93%)と廃プラスチック(目標比86%)が目標に届きませんでしたが、生産数量の増加に伴って製造工程のエネルギーと水使用量、また、物流におけるCO2の削減では大幅に目標を達成しました。2018年度からも各項目について低減していく予定です。
おもな環境目標
環境方針 | 環境目的 | 取り組み指標 | 単位 | 2017年度 目標 |
2017年度 実績 (2013年度比) |
評価 | 2018年度 目標 (2013年度比) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
廃棄物の削減 | 製造工程から排出される廃棄物の削減 | 食品廃棄物の廃棄率低減 (廃棄物量/原料仕入量) |
% | 2.28% | 2.44% (+1%) |
△ | 2.26% (▲6%) |
廃プラスチックの廃棄量低減(廃棄物量/生産数量) | kg/トン | 19.0 | 22.1 (▲7%) |
× | 19.0 (▲20%) |
||
エネルギーの削減 | オフィス・ユーティリティのエネルギー削減 | 電力使用量 | 千kWh | 405 | 393 (▲11%) |
○ | 401 (▲9%) |
千kWh | 1,940 | 1899 (+1%) |
○ | 1,921 (+2%) |
|||
製造工程の エネルギー削減 |
エネルギー使用量原単位 (原油換算値/生産数量) |
L/トン | 311 | 282 (▲26%) |
○ | 307 (▲19%) |
|
物流におけるCO2排出量削減 | エネルギー使用量原単位 (原油換算値/取り扱い数量) ※省エネ法報告数値 |
L/トン | 6.03 | 5.68 (▲6%) |
○ | 5.97 (▲1%) |
|
水の削減 | 工場の水使用量 (井戸水、上水道)削減 |
水の使用量原単位 (水使用量/生産数量) |
m3/トン | 19.0 | 17.7 (▲28%) |
○ | 18.7 (▲23%) |